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宇都宮塗料工業株式会社の歩み

アコオグループの創業者である宇都宮功は「絵の勉強をしたい」と熊本から上京しましたが、映画館の看板製作を機に塗装の仕事を始めます。
昭和30年、高度経済成長期の始まりで、全国の建設現場をまわりました。しかし元請会社からは色々な理由をつけては代金を払っていただけないこともあり、当時雇っていた職人さんへの給与支払いに苦労します。材料問屋に分割の支払いに応じてもらい、何とか凌いでいました。
ある年の正月、その材料問屋へ新年の挨拶に行くと社長にこう言われました。「分割の支払いが途絶えるなど約束を果たさない者が多い中、君は真面目に約束通りに支払いをしてくれている。残りの支払いはもういいよ。これからもいい仕事をしてください」
この時の出来事は心から感動し、母の教えを思い出します。「人に迷惑をかけるな。人にだまされても、決して人をだますな」

昭和39年の東京オリンピックを機に交通インフラの整備も進みました。塗装工事だけではなく「交通安全に関わる仕事はそこに暮らす人に貢献できる」と昭和45年、茨城県水戸市で道路標示工事や標識工事も受注する宇都宮塗料工業株式会社を設立します。
船員からホテル勤務をしていた宇都宮誠も加わりました。功、泉、誠の兄弟3人で真面目に経営する中、「栃木の宇都宮市のよそ者が茨城を荒らしている」と根も葉もないうわさが広がります。それなら宇都宮市でもやってやろうじゃないかと、昭和51年、宇都宮誠は栃木県宇都宮市へ分社、新たな宇都宮塗料工業株式会社として創業します。知人はおらず知らない土地でしたが、ここに骨をうずめる覚悟で、名前に恥じない信頼される仕事をしようと、母の教えを胸に一歩を踏み出します。